心臓の動きがあやしくなり、早鳴りの末に終了する
- 下林の心臓には ICD という名のペースメーカー兼自動電気ショック機器が埋め込まれており、持病である心不全を起こした際には自動的に蘇生するようになっている。
- shimobayashi: 電気ショック
- shimobayashi: 電気ショック久しぶりにくらって2時間くらい早く起床していた。
- shimobayashi: 予定より早すぎるので寝直そうと思ったが、精神が不安定になり寝付くことができないので諦めた。
- shimobayashi: 自然に目が覚めたなーとか思っていたら電気ショック食らってその後もペースメーカーの血圧操作で気持ちが悪かった。
- shimobayashi: 病院いつ行こうかと思っていたが、こりゃ一度早い段階で行っておいた方が良さそうだな。
- shimobayashi: もう一発くらった
- shimobayashi: 不安定だ
- shimobayashi: 心が落ち着かないわ、考えられない
- shimobayashi: 便所の中で少し気を失っていた、今日はマジで不安定だ
- shimobayashi: 本音を言えば、病院行きたい、誰かに会いたい、不安定だ
- shimobayashi: 震えてる。
- 三時間後
- itkz: 下林が苦痛の末に絶命した。心臓の様子がおかしいと朝にアイアールシイで言っていたが、暫く胸に埋め込んだ機械の作用で生き永らえた後、そのまま心停止状態から蘇生しないまま絶命したと、下林の電話に代理で出た大竹が告げた。下林はもうすぐ研修が終わって俺のプロジェクトに戻ってくるはずだった。
- shimobayashi: 死んでインターネットの精霊になりました。更なる監視をします。
- itkz: 死んだ下林が死の間際に使っていたマシンはロックが掛かっていて、少なくともすぐには中身を見ることができないようだ。現段階でそれ以上の情報は無い。下林は常に、「人間の希望は常に裏切られ、みな傷つけられ、最後は殺される」と言っていた。下林の言葉は真実で、世界の残酷さを明確に示している。
- itkz: インターネットを通じて知り合った中で最も親しい人間が下林だった。以前、ともに働いていた会社で失敗して以来、下林はずっと俺を「人間を騙して破滅せしめるクズで、口だけの人間」と公言してはばからなかった。下林は今でこそ俺のことを少しは許してくれたようだが、やはりまだ憎んでもいただろう。
- itkz: 下林は最後まで苦しんで、俺や、自分を裏切った社会の様様を憎んで死んだのだろう。下林の本当のこころを知ることはもうできない。誰もがいつかは死に、下林にはそれがあまりにも早く最悪の形で訪れたのだ。最後の瞬間、俺が下林の傍にいてやることができていたら、少しは安楽のうちに死ねただろうか。